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《アクティブ・サウンドウォーク札幌》

参加型フィールドワーク

SoundCloudアーカイブ

2024-

《Active Soundwalk Sapporo》

Fieldwork

SoundCloud - Archive

2024-

アクティブ・サウンドウォーク札幌.jpg

 本ワークショップは、①サウンドウォークによる探索、②アクション・レコーディング、③振り返りの会、からなる三つのプログラムで構成している。まず①では、従来のサウンドウォークのように、都市の隙間をゆっくりとした歩調で歩きながら、周囲の音を聴くことに集中して歩くことに取り組む。また同時に、自らの身体的な行為を介入させることで、新たな音が発生する可能性のある地点を探索する。次に、サウンドウォークで歩いた道を引き返していきながら各々が探索した地点に立ち寄り、そこで参加者たちによる身体的な行為を介入させる。合わせて、その時に発せられた新たな音を録音していく。最後に、拠点に戻ってから録音した音を振り返り、それぞれの音に独自のオノマトペを名付けてみる。これらのプログラムを通して、ワークショップ参加者は、音環境を「観測者」と「行為者」の両側面から体験し、空間的・身体的な次元でサウンドスケープを捉える「身体的な聴取」体験が生まれることを狙いとした。

 本ワークショップのアート・ドキュメンテーションを作成するにあたり、プラットフォームには「SoundCloud」と呼ばれる音声ファイル共有サービスを使用した。独自のプラットフォームを立ち上げるのではなく、既存のサービスを活用することで、活動を広く流通させていくことを狙ったためである。また、登録する個々の音声ファイルごとに、サムネイル画像やテキスト情報を挿入できる点にも着目した。2024年12月から「Active Soundwalk Sapporo」というユーザー名を用いて、体験入部イベント時に録音した音声ファイルを公開している19)。合わせて、新たな音を発生させた場面とその音を示す独自のオノマトペを描いたデジタルイラストをサムネイル画像として掲載した(図9)。そのことによって、参加者の匿名性を保証するだけでなく、「SoundCloud」上の視聴者においてもどのような情景で収録された音なのかを想像させる余地を意図して作り出した。

宮本一行(2025)『身体の<響き>を捉える音風景ワークショップの開発』札幌大谷大学紀要​​より一部抜粋

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