top of page
《共振する躯体》
松花堂庭園・美術館(京都)
2021
《Resonating body and objects》
SHOKADO Garden Art Museum(Kyoto)
2021
この作品は、昨年のレジデンスで宮本が木津川に架かる「流れ橋」を他者として捉え、共に音を生み出す体験から構成されたインスタレーション作品です。まず宮本は、本橋をひとつの大きな鍵盤打楽器に見立て、およそ1,780桁ある橋桁を一定の速度で一枚ずつ鳴らすことを試みました。そして、その音を起点に上津屋橋の静かな豊かさが溢れた空間を展示会場に再構築したのです。人 が歩くことによって生み出される足音は、「無意識のうちに聞き流されている場合がほとんどである」と宮本は語ります。しかし、実は「素材や環境などの状況によってその音響効果には微細な変化が現れている」と考察し、八幡の一面を顕にするモノとして着目しました。鑑賞者は、この作品の上を歩くことで「作品とともに発する自らの足音」と「表現された足音」の調和を体感することになります。本作は、人工的な展示空間での芸術鑑賞を通じて、鑑賞者に場所と人の関係性を再考する体験を提示しています。
八巻真哉(「ALTERNATIVE KYOTO:もうひとつの京都」総合ディレクター)
※ALTERNATIVE KYOTO:もうひとつの京都 実践報告書より転載
bottom of page