《Performance on Installation》

秋田、栃木、バンコク、山形

OEoS

2018-

《Performance on Installation》

Akita / Tochigi / Bangkok / Yamagata

OEoS

2018-

里山の音風景から導く環境芸術

八木沢集落における 2018 年の実践や小砂地区における実践では、鑑賞者の聴取のあり方として周辺的聴取や能動的聴取を狙った。これらの実践に共通しているのは、鑑賞者の興味関心ごとに従って、受動的な聴取へと陥ってしまうことが懸念される。一方、八木沢集落における 2019 年の実践においては、パフォーマンスの構成に歴史・文化的な要素に基づく環境の現象を取り入れることで、鑑賞者の興味関心ごとに引きつけることができると考えられる。また、パフォーマンスにおける祈りとしての音響と、環境の現象として現れる日の出を一つの表現として重ねることで、視聴覚に相互的作用を与える鑑賞体験を作り出す一つの可能性を提示した。さらには、鑑賞者がパフォーマンスを正しく理解した上で、インスタレーション作品を体験することによって、作家たちが能動的に捉えている環境の要素に気づきを得ることも期待できる。以上のことから、里山の環境を手がかりに制作した作品を、音楽的聴取という概念を用いて捉え直すことによって、里山の音風景から導く環境芸術の一つのあり方を示した。

宮本一行・船山哲郎(OEoS)

​※環境芸術学会誌第26号より転載